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■プラぷら
【Event】
・オラザクに挑戦! New!
・第一回 看板娘
【Novel】
・第一話 第十二節 New!
・第一話 第十一節
・第一話 第十節
・第一話 第九節
・第一話 第八節
・第一話 第七節
・第一話 第六節
・第一話 第五節
・第一話 第四節
・第一話 第三節
・第一話 第二節
・第一話 第一節
【Other】

 

NAL Factory
■「剣を召しませ」
 ニコニコ動画のコミュニティ「プラぷら」のマスコットガールを主人公にした物語がここに始まる。

 坑道跡第四層で想定外の相手と対することになったプララとダニー。
 その相手レスターは狡猾でスピードに長け、正に強敵であった。
 手放したダニーの斧を再び取り戻すことに成功した二人であったが、それでもなお事態が好転した実感をまったく感じ得ずにいた。。
 二人の死闘は更に続く。
■第一話 第十節
 プララは改めて今自分が切りつけたレスターの足を見た。大広間のほぼ中央であることもあり、辺りは薄暗くしっかりと判別は出来なかったが、どうも傷一つついていないように思われた。
 「さっき、僧侶の壊呪しか手がないって言ったわよね?」
 プララがレスターから目を離さずに言った。
 「ああ、足を切って分かったろ?野郎の下半身を切断して動きを止めることは出来ない。やるなら上半身だが、あの無数の皮ベルトがそれをやらせちゃくれないんだよ。しかもご丁寧なことに首をハネ飛ばそうにも、頭に刺さった槍が邪魔になる」
 「詳しいのね、相手したことあるんでしょ?」
 「一度だけな。最下層まで行くと息巻いてたパーティがあったんだが、どうにも怪しかったんでついて行ったんだよ。まぁ最下層まではどうにか辿り着いたものの、こいつと鉢合わせした」
 「で、壊呪?」
 ダニーは暫く黙った後、答えた。
 「前衛が三人死んだがな。とにかくどうにか壊呪はやれたんだが、壊呪し切る前にその僧侶が首をハネ飛ばされた。中途半端な壊呪だったが足止めにはなったんで、残った魔法使いと逃げたよ」
 その時、レスターが突然全身の皮ベルトを解き放ち、二人めがけて襲い掛かってきた。
 ダニーは咄嗟にプララの前に飛び出し、手にした大斧を盾にした。ガガンと無数の衝撃音が辺りに響き渡った。そして無数の血飛沫が散った。いくつもの皮ベルトがダニーの腕に足に突き刺さっていた。
 「何てことを!」プララは叫び、彼に突き刺さる皮ベルトの内三本を一気に切断した。慌ててレスターが己の触手を引き戻す。 
 「アンタのその細身の剣であの数は捌けまい。それより見てみろ。今ので野郎もヘタに攻撃すりゃ大事なベルトを切られると知って、ちっとは悩んでいるようだぜ」
 「しかしそれじゃ、あなたの身体が持たない」
 「それ以前の問題だな……」
 「え?」
 「さっき言ったろ?野郎は魔法も使うんだよ」
 そうだった。こちらに攻め手がなく、無数の厄介な触手のような皮ベルトに気を取られ、魔法を使うという話をすっかり忘れていた。今の一撃でダニーは満身創意。まともに魔法を食らったら、ひとたまりもない。
 「あの拘束着で腕が使えない間は問題ない。印も結べないしな。ところがああやって全てのベルトを開放して腕を自由にすると、魔法を使い始めるんだよ」
 見るとレスターが解き放たれた腕の長い袖をたくし上げ、中から紫色に変色した腕を出していた。
 パニックに陥ろうとする自分を抑え込むのに必死であった。
 「慌てるな、策はある」
 ダニーがそっとささやいた。
 「え……?」
 「何だかんだで、野郎ご自慢の皮ベルトも結構切られてる。そろそろ痺れを切らせて魔法を使ってくる頃だ」
 「その身体で魔法を使われたら、それこそ……」
 「だから、その魔法を使わせなければ良い」
 「え?」
 「冷静になれよ。野郎は皮ベルトをポンポン切られて魔法に切り替えようとしているんだ。その魔法を使うには印を結ぶ時間が必要になる。野郎が印を結び始めたらチョッカイを出してやりゃ魔法は出せやしないさ」
 「でもそれじゃ皮ベルトが……」
 「だから最初から、皮ベルトにチョッカイを出せば良いだろ?」
 「あ……」
 「言っておくが、言う程楽じゃないぜ?数本でもあれだけ苦労したんだ。全開の今となっちゃ、全てを防ぎ切るのは無理な相談ってもんだ」
 プララが深く頷いた。
 「とにかくズラかるにしても、ここは場所が悪い。素直に出口まで移動させてくれるほど甘い相手じゃないが、時間を稼いで少しずつでも移動するんだ」
 その時、レスターが紫色の腕を持ち上げ、身体の前で印を結び始めた。
 「来たぞ!突っ込め!!」
 言うが早いか、ダニーは大斧を下げたままレスターに向かって突進した。右へ向かったダニーとは逆に左へとプララも突っ込んだ。向かってくる二人に対処しようとレスターは印を結ぶのを止め、二人にベルトを伸ばしてきた。
 速い!尋常ではない速度で無数の皮ベルトがプララに襲い掛かる。プララは覚悟を決め、正面から真っ直ぐ突いて来る三本に狙いを定め剣を振り上げた。正面の皮ベルトが引き戻される。
 「囮!?」
 ひゅんと虚しく剣が空を切る。チンとかすかに音が聞こえた。どうやらダニーが一本は切り落とせたようだった。まんまとレスターの罠にハマった自分に恥じながらも、振り抜いた剣を素早く引きつけ、レスターの攻撃に備えた。
 「右からか?」右からの皮ベルトに注意を払った瞬間、攻撃が始まった。左右両方からの同時攻撃であった。右からの攻撃を剣で打ち払い、それと同時に左からの攻撃を強引に身体を捻ってかわす。背骨がギリギリと音を立てて軋むのが聞こえた。
 「くっ!」
 無理な体勢で攻撃をかわしたせいで大きくバランスを崩す。倒れたら殺られる。進行方向へ倒れ込もうとする身体を大きく出した足で何とか堪える。しかし、踏み出した足で転倒は免れたものの大きくスピードは殺され、ほぼレスターの真横で停止する羽目になってしまった。レスターに正対するプララ。レスターの姿の向こうにダニーの姿が見えた。大きな斧を右腕で振り、残された左手で皮ベルトを掴んで引き千切らんとばかりに引っ張っていた。しかし、これで以前大きくバランスを崩されたレスターは、今度はバランスを崩すことはなかった。ダニーに引っ張られる皮ベルトは無理に抵抗することをせず、だらりと伸ばされた。力任せに引っ張ろうとしたダニーがバランスを崩し、転がるように転倒した。
 スピードで負ける相手を前にしての転倒は圧倒的なアドバンテージを相手に渡すことになる。プララはダニーを援護すべく、目の前にあったレスターのわき腹へ剣を突き刺した。
 グサリ。
 思いがけず、深々と剣が相手の身体に進入した。
 レスターへの一番最初の攻撃で突きがかわされ、そればかりか相手を見失うという失態まで犯したことがあるだけに、この突きがレスターを貫いたことに、プララ本人が驚いた。しかし喜んでいる時間はない。剣をグルリと捻ると、プララは身体を左へ反転させ、剣を肩に担ぐようにして一気に切り上げた。
 呼吸もタイミングもない。単なる力任せで跳ね上げられる剣。剣を握る右手に肉を引き裂き、骨をへし折る感触が伝わった。
 確かな手応えを感じたが、それを確認するだけの余裕はなかった。振り返ってレスターを見る時間すら惜しんでプララは真っ直ぐその場から離れた。五〜六歩飛び去った後、プララは反転した。すぐ横にダニーがついた。
 「やるじゃないか」
 ダニーが肩で息をしながら言った。
 見ると身体をくねらせ、身をよじるようにして立つレスターがいた。相手はアンデット、苦痛を感じているとは思えない。痛みではなく怒りに震えているのであろう。
 「今だ!ズラかるぞ」
 ダニーはそう言うと、二人の右方向にある大広間の開け放たれたままの出口に駆け出した。プララもそれに続く。背後に皮ベルトの気配はなかった。行けると思った瞬間、プララの頬に小さな冷たい感触があった。
 次の瞬間、二人が目指す出口の前に忽然とレスターが姿を現した。
 二人の上を飛び越え、一瞬にして行く手を阻んだのだ。身体の左側はプララによって大きく引き裂かれ、そこから黒に近い赤い血が滴り落ちていた。頬に感じた冷たい感触の正体であった。
 「こりゃ、相当お怒りのご様子だ」
 ダニーが軽口を叩いた。
 ダニーの背後で止まったプララは、彼の背中を見て、はっと息を呑んだ。
 右肩を脱臼していた。
 「その肩……」
 「そんなことは後だ」
 「しかし!」
 ダニーの肩越しにレスターを見たプララは後の言葉を飲み込んだ。レスターが相変わらず腰をくの字に曲げ、上半身をそれとは反対方向に捻じ曲げた姿勢のまま、大きくゆらゆらと回し、残された無数の皮ベルトを激しく振り回す姿がそこにはあった。怒りの頂点にあることは、初めてレスターと対するプララにも見て分かった。
 「アンタが野郎を引き裂いたお陰で多少スピードは落ちたようだが、それでもまだまだのようだな。これでトンズラってのは流石に調子が良過ぎたらしい」
 「もう一度攻撃を……」
 「さて、それもどうかな?左腕一本で振り切れる程……、この斧は軽くはないんだよな」
 「だったら私が突っ込むから、その隙に……」
 「策はある」
 プララの言葉に口を挟むようにして、ダニーが言った。
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 挿絵は主人公プララをデザインされたぷるぷるさんによる物です。

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