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■プラぷら
【Event】
・オラザクに挑戦! New!
・第一回 看板娘
【Novel】
・第一話 第十二節 New!
・第一話 第十一節
・第一話 第十節
・第一話 第九節
・第一話 第八節
・第一話 第七節
・第一話 第六節
・第一話 第五節
・第一話 第四節
・第一話 第三節
・第一話 第二節
・第一話 第一節
【Other】

 

NAL Factory
■「剣を召しませ」
 ニコニコ動画のコミュニティ「プラぷら」のマスコットガールを主人公にした物語がここに始まる。

 自由にならない意識と身体、更に唯一の武器まで封じられ、絶体絶命のプララ。
 その窮地を救ったのは第一層の広間で出逢った大斧の男だった。
 ダニーと名乗るその男の申し出を受け、二人は急造のペアを組んでミミックを倒すこととなった。
 剣と斧を携えた二人の傭兵が、強敵ミミックに挑みかかる。
■第一話 第七節
 「ありがとう、助かった」
 プララは素直に礼を言った。
 「野郎とにらめっこしてたから、手を出して良いのか迷ったんだけどね。アンタが身体の自由が利かないとか、武器を封じられてるって喋り出したんで、手を貸せって言ってるんだと分かったよ」
 斧を持った男はそう話しながら跪くプララに手を差し伸べた。
 「ダニーだ」
 プララは差し出されたダニーの手を暫く見てからそれを掴み立ち上がった。
 「私は……プララ」
 「ふむ、プララさん、ね」
 ダニーは立ち上がったプララの姿を眺めながら言った。
 「似合わない名前?」
 プララはダニーから視線を外して呟いた。
 「いや。アンタも生まれながらに戦士って訳でもなかろう?」
 プララはダニーの顔を見た。
 「さて、野郎を片付けてしまおうか」今度はダニーがプララの視線を外すかのように、広間の壁まで飛ばされたミミックに振り返った。
 「俺が野郎の攻撃を受け止めよう。アンタが息の根を止めてくれ。このままじゃ気が済まないだろ?」
 プララは返事の代わりに首の皮ベルトから剣の鞘を外し、カシャンという音で答えた。
 「いくぜ!」ダニーは大きな斧を身体の前にかざしながら、壁の前で蠢くミミックに突っ込んで行く。プララはそれに少し遅れて、ダニーの左後方から後を追った。
 足音を聞きつけたのか、ミミックは体勢を低く取り直し、自分めがけて突進してくるダニーに飛び掛った。ガツンという斧と歯の当たる大きな音が広間に響き渡った。
 「おらっ!」全体重をかけて襲い掛かるミミックに力負けしないよう、ダニーは大きく足を前後に広げ、両手で持った斧で攻撃を受け止めた。そのすぐ脇をプララがすり抜けざまにミミックの側面を切りつけた。
 「ギギッ」切りつけられた怒りを隠しもせずプララに襲い掛かろうとするミミックに、ダニーが斧を振り下ろす。
 「どっちを見てるんだ?お前の相手は俺だ!」
 プララはダニーに牽制されるミミックの背後を取り数度切りつけた。
 が、手応えとしては中途半端なものが返ってきた。ダニーと交戦中であるにも関わらず、ミミックは自分の後ろの体組織を変化させ、巧みにプララの剣の力を逃がしていた。
 「ちっ」プララが舌打ちする。とかく厄介な相手なのである。
 「俺の攻撃を受けながら、まだ背中に気を配れるってか?随分と余裕を見せてくれるじゃねぇか」
 ダニーは更に大きくスタンスを取って叫んだ。
 「プララ!お前が飛ばされるなよ」
 一度大きく振りかぶったダニーは、ミミックを袈裟切りに振りぬくとそのまま斧を回転させて、反対側からまた袈裟懸けに切りつける。振りぬく度にその力を利用して回転速度を速め、たちまちゴウッという大音響が辺りに響き渡った。
 流石のミミックも防戦一方に強いられた。
 プララは右足を前にして両足を前後に揃え、剣を身体の前にかざして目を閉じ、静かに呼吸を整えた。次第にプララの耳から辺りの音が消えていき、身体の芯に細く冷たい物が宿る。
 「おいおい、寝てるんじゃないだろうな?こいつはあまり長く持たないんだぜ?」プララの所為を見ながらダニーは呟き、しかし斧の回転を更に上げた。
 脳裏にミミックの姿が浮かぶ。ミミックに斧を振るうダニーの姿が映る。音は聞こえない。ただ自分の呼吸音だけが静かに繰り返されるだけ。
 「はっ!」プララは息を一気に吐き出し、身体を左へ一転させミミックへ剣を横から振り抜いた。
 ピンという聞きなれない高い音が鳴った。
 その瞬間ミミックの動きが完全に停止し、そこへダニーの斧が斜め上から振り下ろされる。
 グシャリという派手な音を立てて、ミミックの上半分が吹き飛ばされた。

 「こりゃ凄まじい切れ味だなぁ」
 その場に残されたミミックの下半分の切り口を見て、ダニーが呆れるように言った。
 「内臓がまったく潰れていない。手馴れたコックが包丁を振るったみたいに見事に切断されている」
 「さっきも言ったけど、タイミングと呼吸を合わせれば……」
 「剣を抜いていれば、だな」
 剣を鞘に収めようとしていたプララの手がピタリと止まった。
 「さっき、抜けなかったんだろ?」
 プララは黙ってこくりと頷いた。
 「まぁこの切り口を見ていたら、滅多なことでさっきみたいな状況になることはないってのは分かるぜ。でも、雑魚ばかり相手してきた訳でもないんだろ?その左腕もそれでやられたのか?」
 「いや、これは戦闘じゃない」
 「ふ〜ん。じゃ一体どうして……。いや、別にどうでも良いか」
 ミミックの残された下半身を眺めていたダニーは立ち上がりながら辺りを見回した。
 「ミミックはがめついからな、どっかそこらに宝物をどっさり隠してあるだろう」そういうと広間の岩陰を探し始めた。
 ダニーの後姿を見ていたプララが、はっと何かに気付いて話しかけようとした時、ダニーが声を上げた。
 「あったあった。金と……武器が少々。武器は大した物ではないな」
 ダニーは小さな皮袋を摘み上げると、中からザラザラと半分ほど銀貨を取り出し、残った皮袋をプララに投げて渡した。
 「半分は貰ったよ」
 「ああ、それは構わない。それより他に何かなかった?」
 「何かって?」
 問われて答えに窮しているプララを認めると、ダニーは横目で残された宝物を見ながら言った。
 「後は……古い長剣が一本、短剣が二本、これは盗賊の品だな。魔石は火炎か雷が収まる程度の粗悪品が二つあるだけだな」
 「そう……」プララがやや肩を落としたように見えた。
 「何か探し物かい?」
 プララは答えなかった。
 「ひょっとして、宝箱を漁るのに夢中になって、不意にミミックに襲われた?」
 プララは答えずに軽く唇を噛んだ。
 「おいおい。駆け出しの傭兵でもあるまいし、アンタらしくないじゃないか」
 ダニーが呆れたように言った。
 「人形……」ぽつりと言った。
 「え?」
 「人形を探している」
 「人形って、魔法の品か何かなのか?」
 プララは大きく頭を振った。
 「おもちゃ?」
 こくりと頷いた。
 「ふむ。おもちゃの人形ねぇ。そう言えばララガンの町は知ってるか?あの町の近くに洞穴があって、そこの魔物でおもちゃを集めてるのがいるって話は聞いたことがある。とは言っても……」
 「もう、行った」
 「行った?いつ?」
 「去年の冬に」
 「え?ちょっと待ってくれ。じゃララガンの洞穴の魔物を壊滅させたのって、まさかアンタ?」
 プララが頷いた。
 「おいおい、俺もあそこは潜ったことが一度あるが、小さな洞穴とは言え、一人で何とかなる所じゃないぞ?」
 プララはそれには答えず、「おもちゃを集めている魔物は確かにいた。魔術師の魔物だったけど、持ってなかった」とだけ答えた。
 「は〜、驚いた。あのマスターマジシャンを倒したのか。アンタ相当な使い手だな」
 ダニーは驚きの目でプララを眺めた後、少し思案して言った。
 「それでこっち、グラナラードへ流れてきたって訳か」
 プララは頷いた。
 「だったら俺がこの坑道跡を案内してやるよ」
 「え?」
 「ここは不案内なんだろ?ララガンの洞窟を一人で壊滅させるアンタは確かに強いんだろうが、流石にこの坑道跡を一人で探し回るのは無理だよ」
 「いや、でも……」
 ダニーは手の平を見せてプララを制した。
 「その人形、どうしても見つけたいんだろ?それにあまり訳は話したくないようだ。獲物や宝物といった手柄は普通に半分ずつ、もし人形が見つかったら、それはアンタが持っていけば良い」
 どう答えたら良いのか迷っているプララを見て、ダニーは続けた。
 「こう見えても、この坑道跡はよく来ているから道は詳しい。それにヒマなんだよ」
 ダニーは笑顔を見せ、手を差し伸べた。
 プララはちらりとダニーの笑顔を見た後、差し出された手に視線を落とし、しばらくしてそれを握った。
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