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■プラぷら
【Event】
・オラザクに挑戦! New!
・第一回 看板娘
【Novel】
・第一話 第十二節 New!
・第一話 第十一節
・第一話 第十節
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・第一話 第五節
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・第一話 第二節
・第一話 第一節
【Other】

 

NAL Factory
■「剣を召しませ」
 ニコニコ動画のコミュニティ「プラぷら」のマスコットガールを主人公にした物語がここに始まる。

 大斧の男と別れたプララは、坑道跡第一層を散策した後、第二層へと進んだ。
 第二層の最初の扉を開いたプララの目の前にいたのは、自分の身の丈を五割は上回ろうかという巨人、オーガであった。
 オーガはプララを見つけるや否や、彼女の胴回りはありそうな棍棒を横殴りに振り回してきた。。
■第一話 第五節
 「さて……」
 大きく腹を裂かれたオークを尻目に、プララは独りごちた。
 さして広くもない坑道跡の最初の広間を見回してみたものの、辺りはしんと静まり返り他に魔物はいそうもない。「六階層と言ってたっけ」プララは酒保の主人の言葉を思い出していた。
 『ここらはな、瘴気の上がり方が極端なんだ。近場はどうということはないが、少し離れるだけで瘴気があっと言う間に濃くなっていきやがる』
 こういう坑道のような閉鎖された空間の場合、瘴気の上がり方が急速であることが常であるし、それが地域的にも重なるとなればその加速度は更に増すことになろう。ましてや六層、深いとまでは言わずとも決して浅い訳ではない。
 プララは手にしていた剣をぴゅんと一度振り、それを鞘に収めることなく手にしたまま広間から唯一奥へと伸びる通路に足を向けた。
 「暫くはあの男が倒して何も残ってないかな」
 口元に自嘲気味の笑みがこぼれた。

 坑道跡の第一層はそれ程広くはなかった。
 最初の広間を抜けた後、暫く進んだ所で二手に道が分かれており、特に理由もなく右への道を選んだ。不規則に掘り進められたトンネルは、要所に埋め込まれた魔石が辺りを照らしており暗くはなかった。魔石は魔術師の魔法を蓄えておく能力を持つ鉱物であり、比較的広い地域で豊富に産出される。魔石の質によって蓄えられる魔力に差があり、上質な魔石は上級魔法を蓄えることが出来、傭兵、特に魔法を使えない戦士に重宝がられた。その分その取引額は自然と高額になるのだが。坑道などの照明として使われる魔石は、魔術師が最初に覚える魔法、火炎が封じ込められており、最も質の悪い魔石であることが多くすぐにその効果を失ってしまうのだが、効果を失い暗くなった魔石を見かけた魔術師が通りすがりに火炎をかけていく。そのため魔石が効果を完全に失っていることは滅多になかった。
 右への通路を選んだプララは途中で下の階層へと降りるハシゴを見つけたが、それを一旦見過ごして更に奥へと進み、第一層の広さを確認した。坑道は鉱物資源を採掘する場であることから、階層を下げる毎に広くなっていく。第一層の広さを見ることで、ある程度下の階層の広さを窺い知ることが出来るのだ。
 いくつかの枝葉は分かれていたものの、そのまま通路は最初の分かれ道に戻っていることが分かった。途中、コボルドとオークに出くわしたが他に目新しい魔物も見られなかった。
 「下へ行くか」
 プララは再び通路を半周し、第二層へと繋がるハシゴを降りた。
 「と……」
 第二層へ降りたプララは目の前にある二つの扉を前に立ち止まった。降り立った先はパーティがキャンプを張れる程度のスペースを残し、すぐに二つの扉で閉ざされていた。
 第一層を一回りした際、魔物の隠し持つ宝物は何一つなかったことからも、先の男が粗方片付けたのであろうことは理解していた。左右どちらの扉を開いても良かったが、出来れば男の後を追う形は避けたかった。
 改めて二つの扉を眺めたが、盗賊でもないプララに男が通った痕跡など分かる筈もなく、勘を頼りに左の扉を引き開いた。
 勘は当たった。目の前に大きな人影が立っていた。
 人影という表現はいささか正確さにかけるかもしれない。四肢のある二足歩行という人型ではあるのだが、それはかろうじて人型と言えるレベルであった。
 足は極端に短く、然程強靭な印象を与えない代わりに、上半身は異常なほどの大きさを誇っていた。身長はプララの五割り増しといったところで、その大半を上半身が占めているかのようであった。胸から肩、そこから続く上腕に異様なほどの筋肉の盛り上がりを見せ、その手にはどこで拾ったのか、プララの腰周りくらいありそうな太い棍棒がわし掴みにされていた。
 太い首に小さな頭という起伏の乏しいその形状と、全身ピンク色の体表は、人に嫌悪感を抱かせるに充分であった。
 「オーガか……」
 プララがそう呟いた時、オーガはプララめがけて手に持った棍棒を横殴りに振り回した。
 彼女はそれをするりとかわし、にやりと笑った。巨体に相応しい腕力を持つオーガではあったが、プララはこの相手を得意としていた。小さな頭が示す通り知能は低く、オーク以下だと言われている。また強靭な腕力を見せる上半身に比べ、小さな下半身はあまりにもバランスが悪く、極端なほどに行動は鈍重であった。
 強靭さではなく速度とタイミングを身上とするプララには、まさに絶好の獲物であった。
 さて、どう料理しようかと思案を巡らした時、オーガの姿の向こうにある岩陰が目に入った。
 「ほう、何か良い品でも溜め込んでいるのかな」プララはオーガに話しかけるように呟くと、すっと剣先を足元に降ろし、身体を半身に構えた。
 オーガはその所為に気付いた風もなく、再び横殴りに棍棒で殴りつけた。
 ゴウという凄まじい音が響く中、プララは大股に一歩歩み寄ると同時に身を屈める。その頭のすぐ上をオーガの腕が凄まじい速さで通り過ぎる刹那、プララは上半身を左へと捻るようにしながら剣を縦に振り抜いた。
 彼女の振り抜いた剣は一刀の下にオーガの右腕を切断し、主を失った右腕はそのままの遠心力で遥か向こうへと飛んでいった。
 瞬時に切断された傷は痛みを感じるまでに時間がかかると言うが、元々感覚の鈍いオーガである。自分に降りかかった事態を把握出来ず、先端を失った右腕を不思議そうに眺めているだけだった。
 プララは更に体を左へと回転させ、縦に振り抜いた剣の勢いのまま、今度はオーガの左わき腹から右肩へと袈裟懸けに切りつけた。
 カシンという肋骨が切断された音が辺りに響き渡り、オーガは声を上げることもなく、そのまま後方へと倒れこんだ。
 後に残ったプララの姿には、一滴のオーガの血液も見当たらなかった。
 剣を鞘へと収め、記録紙にオーガの記録を取ってから、プララは改めてオーガの向こうに見えた岩へと目を向けた。岩陰に古びた宝箱が一つ置かれてあった。

 傭兵は魔物を狩る立場であると同時に狩られる立場でもある。戦いは常に死と背中合わせであり、少しでも自らの安全を得ようと装備を整えていた。それでも命を失う者が後を絶たないのが傭兵である。
 戦いに敗れ命を落とした傭兵は、運が良ければ他の傭兵にその亡骸を運ばれもするが、その大半はそのまま魔物たちの餌となる運命にある。そしてそこに残された装備もまた、魔物に持ち去られてしまうことがほとんどであった。
 魔物たちは、そうした傭兵たちから奪った装備や携帯品を自分で使ったり、あるいはこうして宝箱へと大事に仕舞い込んでいるのである。
 プララは宝箱の前に跪き、それを眺めた。
 「鍵はなしか」
 魔物の中にはがっちりと鍵をかけるしっかり者もいれば、蓋を開いた途端に発動する罠を仕掛ける知恵者までいた。もっとも、オーガ程度の知能では、鍵をかけることすら出来はしないのだが。
 「まぁ、オーガの宝箱じゃ大した物は入っちゃいないかな」
 プララが呟きながら手をかけると、宝箱の蓋が自分から開いた。
 ガチャリという派手な音と共に、むき出しになった歯が生えた口が大きく開かれた。
 「しまった!」プララが言葉を発するが早いか、それは襲い掛かってきた。
 宝箱の姿をしたミミックである。
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